お知らせ・コラム

畳のこと色々の一覧

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【お寺の畳】 畳職人のこだわりをご紹介。

先日、中央区のお寺様からご依頼いただき、お堂の畳替えをさせていただきました。
写真は施工前です。

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畳床はクタクタになっていて、裏の藁の編み方から50年以上前のものだと分かります。ということで今回は畳を丸ごと替える新調をさせていただきました。

以下は、「畳屋さんはこんなところに気を使って畳を作ってるんだ」ポイントをご紹介。

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其の一、宗派に合わせて敷き方を変える。

今回は禅宗のお寺様ということでまん中に一本畳を縦に敷かせていただきました。今までは二本縦に敷いてありましたが、そうすると畳と畳の境目に住職が座ることになる事と、境目の線がご本尊の中心を突き刺す形になるのでご住職と相談のうえ変更させていただきました。その代り両端に細い畳を縦に敷くことにしましたが、敷いた感じもよかったと思います。
禅宗では畳を真ん中に縦に敷くやりかたが多いようです。

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其の二、畳のラインを合わせる

紋縁の畳のスペースの左右にも敷居を挟んで畳が敷かれていますが、敷居をまたいでも全ての畳のラインがそろうように寸法を割り付けています。
さらに所々にある柱の芯に畳と畳の境目が来るようもしています。そういった細かいところにも畳の直線美へのこだわりがあります。

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其の三、紋合わせ

畳職人が一番こだわるのが、この紋合わせです。
一般の住宅ではあまり見ないかもしれませんが、このように紋が入った縁を紋縁(もんべり)と呼びます。ほかにも色・形・サイズの違った紋縁が多種ありますが、今回は一番伝統的な高麗縁の白中紋を使用しました。
畳自体のサイズもこの紋のサイズを基準に決めていきます。たとえば真ん中に敷かれている畳の長編は48紋になるように寸法を決め作っています。
この紋縁は綿で出来ていて収縮するデリケートな縁です。隣り合う紋縁が平行に並ぶようにするのも実は頭と技術を要します。そして、縦と横の畳が重なる部分でも4つの紋が綺麗に並ぶように手を施してあります。何より一つ一つの紋の円が綺麗に表に出るように畳に縫付けるのが一番難しい部分です。
お寺の畳をそういう目で見ると面白いかもしれませんね。大河ドラマの紋畳が気になり始めたらプロですね。(慎)

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四天拝敷(してんはいしき)

お寺のお客様から【四天拝敷】のご注文をいただきました。

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四方を四天王に守られた中でお経をあげる。そういう敷物だから【四天拝敷】という名が付けられています。
お寺にとってもお坊さんにとっても大切な敷物です。

縁は高麗縁という伝統的な紋縁を使用しております。今回使用したものは【中紋】です。ほかにも【大紋】【小紋】があり大きさにより
位を表します。

仏具として使われる神聖な敷物ですから紋が綺麗に合うように細心の注意を払って作らせていただきました。日々のお勤めがより良いものになれば幸いです。ご依頼ありがとうございまいした。(喜)

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お寺の畳新調。

今日は熊本市内のお寺様の畳を製作しております。
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大きな仏様がおられる御御堂の畳替えです。使用するのは本ワラ床国産上級畳表紋縁です。紋が畳の端でかけることのないように紋の大きさを基準に畳の寸法を振り分けていきます。
大きな畳を作っていますがミリ単位の緻密さが求められます。採寸及び寸法の振り分けはこれからの作業の羅針盤となる最初の大事な作業です。喜三郎君が担当します。
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それぞれの畳に使う縁を紋を数えながら切り落としていくのは橋本さんです。【筋無し】という幅の広い反を使い、隣り合う畳の紋が綺麗に合うようにします。
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畳の角がきちっと出るように加工しているのは高見君。今年畳製作2級技能士の資格を取った一畳屋いちの若手です。これをしておくと畳を敷いた時の納まりが違います。
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畳表を張った後にサイドを糸で縫い表が動かなくします。機械で縫いますが機会を操るのは水洗君です。
まだまだ時間と手間をかけて作っていきます。つづきはまた。

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今日のお仕事 【柄表 大目綾】

今日は少し変わった畳表を使用した畳を作っております。
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大目綾(おおめあや)という種類の柄表(がらおもて)です。イ草の織り方が変わっていて菱形が
折り重なったような模様が特徴で、足触りもぼこぼこして気持ちいいです。

この畳がお部屋に敷かれるとどうなるのか後日レポートしたいと思います。(慎)

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  • 日記

いぐさ祭り in 八代

先日、八代で行われたいぐさ祭りに行ってきました。

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い草の産地らしく、会場の客席は畳敷き!!
い草にまつわる様々なアトラクションもありました。

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こちらは、い草の手織り体験
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先日行われた、い草の品評会に出展した、い草や畳表もずらり。
並ぶい草が壮観です!!
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今年の最優秀賞 「農林水産大臣賞」橋口さんの畳表
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全国から、畳屋さんがイ草の勉強にいらっしゃってました。
い草や、畳文化を後世に残すにはイ草農家、問屋、畳屋が一つになってその良さを伝えていかなければならないと改めて思いました。

北九州大でイ草の研究をする森田先生。
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小学生対象で行った、新しい畳の部屋で計算問題を解くという実験では、なんと2割以上正解率がアップしたとのこと。
お子さんの勉強部屋を畳にすると、集中力がアップする効果があるという実験結果だったそうです。

わたくしたち自身も畳の知識をさらに深め、お客様に伝えていきたいです。(光)

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秋の 新チラシ出来ました!!

チラシ10月に入り畳替え、襖替えのベストシーズンの到来です。
気候が涼しくなるとともに、お正月に備えた畳襖替えと合わさって、ここから年末までが一畳屋にとって
いちばん忙しい季節を迎えます。

また、たくさんのご注文にしみじみ、ありがたさを感じます。
忙しくても、職人ぞろいの一畳屋丁寧な仕事は変わりませんので、ご安心ください!!

一畳屋のブログにも何度も登場している倉井さん
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5年ほど前から、弊社用の畳表を作ってもらっています。
「強いいぐさ」作りにこだわっている倉井さん、私たちが提供したいものもそこにあります。

お互いに納得いくイグサつくりのため、相談を重ね、草を見、倉井さんの腕を信じ
今年の新草一番毛(一番良い、いぐさ)で織ってもらったいぐさを1町分
全量買い取らせていただくことを決めました。
1枚当たりのイグサの重量・糸なども話し合い決めた、一畳屋オリジナル商品です。
1日20枚限定ですが、これば倉井さん夫婦が一日かけて織り上げる畳表が20枚だからなのです。

ゆえに売切れ次第終了になります。

一畳屋完全オリジナル商品「絆」まずはお見積りで実物をご覧ください。(光)

 

 

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い草 研修会・品評会に行ってきました。

先日い草の新草の品評会に行ってきました。

い草は8月に収穫され、泥染め、乾燥、製織などを経て私たち畳店のもと、さらにはお客様のもとに届きます。
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このような機械で、い草農家さんたちが畳表の状態まで、仕上げます。
今年取れたい草の出来を見るため、畳屋、問屋、い草農家揃って品評会を行うのです。

またこの日は、畳屋、問屋、い草農家だけでなく、市役所のい草担当者や、八代市のい草担当市議会議員の方もおいでいただき、活発な意見交換会も行いました。

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時に和やかに、時に真剣にそれぞれの農家さんのこだわりなどを聞きながら会は進みます。

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お二人は、倉井さんと草野さん2人は高校の同級生でもあり、一畳屋の人気商品の生産者でもあります。
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倉井さん

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草野さん

お二人がイ草農家になったのは32年前そのころは、い草も景気が良く同級生の多くがイ草の生産者になったといいます。

ここ数年は、毎年40件のイ草農家がやめており、生産量は10年前の半分に、平成元年の10分の1まで減少してしまいました。
「オリンピックの選手村に、国産畳表でおもてなし」という案も出ているそうですがこの減り方を考えると心配でなりません。

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畳は、日本の風土に合ったとても良い敷物だと思います。私たち兄弟は畳が大好きです。
30年先もこの仕事を続けていくためにも、今しっかり勉強し、生産者・問屋・畳屋が協力し後世に畳を残す努力をしていかなければと強く思いました。

その中で、お客様に喜んで頂ける商品を吟味し、お客様に満足していただける仕事を常に追い求め、
「畳替えしてよかったな、畳っていいな」思って頂けるような仕事をしていきたいです。(光)

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平山温泉 お宿 めぐみ山荘様の畳を作っております。

山鹿は平山温泉にある【お宿 めぐみ山荘】様の畳表替えをしております。

畳表は変わった織の柄表を使用し、縁は茶の鯔背を使用しております。

この畳がお部屋に敷かれたときにどんな感じになるのか、また報告致します。(慎)

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わが社の人気 倉井さんのイ草初収穫!!



一畳屋では、商品の均一化を図るために商品ごとに農家さんをある程度限定しています。

い草農家さんは、取れたイ草をその品質や長さによって、少ない方で3段階、多い方で7段階に
分けて畳表を織っています。

国産の畳表(ござ)のほとんどはイ草農家さんによって、織り上げられているのです。

一畳屋の商品のなかでも常にトップランクの人気を誇るのが倉井さんの畳表。
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良い肥料をしっかりあげて、量より質を安定させることをモットウにイ草つくりに取り組まれています。(写真は4月ごろ肥料をまいている倉井さんです。)

丁寧な栽培が、功を奏して今年も、良いイ草が取れました。
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このイ草を、収穫

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泥で染めて、窯で乾燥させます。

まだまだ作業は続き、機械で選別→加湿→人の目で折れや、焼けなどを取り除く→織機にかけて畳表に織り上げる→仕上げ作業

というように、すごーく手間がかかるのです。

だからこそ、わたくしたちも丁寧に仕上げ、自信を持ってお客様に届けることが出来るのです。

新草が出来上がるのをご期待ください。(光)

 

  • 畳のこと色々

古都

一畳屋の畳替えに【古都】という商品があります。

イグサの産地・熊本でトップクラスのイグサと技術で織られた畳表です。

作り手としても、より手間をかけて一枚一枚畳を仕上げていきます。

先日、その古都で畳替えをされたお客様宅へ行く機会がありました。

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2年前の仕事ですが、いい感じに色付きはじめていました。

良い畳表ほど年月が経てば経つほど素晴らしい小金色に変化していきます。

無垢の木などと同じように畳も経年変化を楽しめる素晴らしい素材の一つです。(品物によります)

5年後、10年後が楽しみな畳です。改めてありがとうございました。

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  • 畳のこと色々

七島表

先日畳の表替えを七島表(しっとうおもて)でさせていただきました。

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七島表は一般的な畳表とは品種の違うイグサで出来ています。
形状が三角で、さらにそれを裂いて織り上げていきます。製法も特殊です。

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特徴はゴツゴツした足触りと傷みにくい強度です。田舎のお宅に行くと30年前の七島表が傷が少ない状態で使われたりしています。
琉球畳は縁がない畳をイメージされる方が多いですが、正確にはこの七島表を用いたヘリ無畳を指します。
日本では主に大分県で作られていますが、その数は少なく流通している大半が中国産です。
よって、希少価値もあり金額は高めです。ただ、耐久年数や独特の質感や風合いをなどを考えると決して高いものではありません。
七島表に興味がある方は何でもご相談いただければと思います。畳の専門家がお答えします。(慎)

 

  • へり有り畳
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茶室畳新調

先日長年お付き合いさせていただいているお客様の畳新調工事をさせていただきました。

通常お茶室には炉畳と呼ばれる取り外し可能な畳がありますが、今回の部屋にはそれが3つあります。

一般的には炉畳は1か所の場合が多いので、私たち一畳屋としても珍しいことです。

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お茶室は特に畳の目を大事にします。縁が綺麗に畳目の谷にきていることが大事です。これを「目のりが乗る」と表現します。3か所の炉畳の位置を考慮しつつ目のりを乗せて畳を作らせていただきました。

土台も藁床でさせていただき、より一層お茶を楽しんでいただければ幸いです。(慎)

 

 

 

 

 

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いぐさ成長日記その2 4月編

駆け込み需要で激動の3月をすぎ、4月の半ばやっと産地八代に行くことが出来ました。

今日は、一畳屋一番人気の畳表の生産者倉井さんのところへ
倉井さん
この日は、追肥の真っ最中。
高級な有機肥料をふんだんにまいております。
こしの強いイグサを作るためには欠かせない作業です。

現在八代で生産されているいぐさは、大きく分けて2種類あります

細くて青みが強い「ひのみどり」系と
ひのみどり

太くて、こしがある「在来種」系
倉井さん畑

倉井さんは今では3割しかなくなってしまった、在来種の生産者です。
いぐさ根本

長年のお付き合いで、私たちが提供したいものもよく理解していただいており、
年間を通して安定的な商品が提供できるのも倉井さんという同志がいてこそです。

昨年分の倉井さんの畳表は売り切れました。

今年の新草の予約をして帰路につきました。
今年のいぐさも順調に育っております。
8月~9月畳表として出来上がるのが楽しみです。(光)

 

  • 畳のこと色々

お茶室のお仕事。

先日お茶室の畳表替えをさせていただきました。

お茶をされない方は見慣れないかもしれませんがお茶室は炉畳というものがあって、取り外しできるようになっています。(写真の小さい四角の部分です。畳屋さんの技術が求められる部分です。)

そこで湯を沸かしお茶をたてるわけです。炉の位置は流派によって違ってたりもします。

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お茶では畳の目を基準に、どこに座り、何を置くかなどが決まっていて縁幅や目のりなど微妙な位置が正確でないといけません。

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一畳屋はお茶室の仕事が得意です。職人の腕の見せ所でもあります。

お茶室の畳替えをお考えの方は是非お声掛けしていただければと思います。(慎)

 

 

 

  • お寺のお仕事
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お寺さんのお仕事。

先日お寺さんのお仕事をさせていただきました。

お寺では紋縁(もんべり)と呼ばれる一般の住宅ではほとんど使わない畳縁を使うことがあります。

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紋縁とは読んで字のごとく紋の柄があしらわれた畳縁です↑紋縁もたくさんの種類がありますが、今回は高麗白中紋を使わせていただきました。一番スタンダードな紋縁でもあります。

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紋縁の仕事は隣り合う畳の紋が綺麗に並ぶようにしたり、紋の大きさ合うように縁幅を合わせたりなど、技術と経験が求められる高度な仕事です。

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一畳屋では熟練の一級技能士たちが一つ一つの御堂に合わせた紋合わせで、美しい畳を作らせていただいております。紋縁での畳をお考えの方は是非お声かけください。(慎)