「手床の畳」 畳職人の独り言
こんにちは! 三男 喜三郎です。
京都の畳修行から、熊本に帰省してはや10年
なかなか目にすることのなかった、「手床」の畳に
一週間で2件も出会いました。(;゚Д゚)
「手床」とは、文字通り 機械は使わず手で作った「藁床」の事です。
※床とは畳の土台です。現在は機械で作るので、手床はほぼないのです。。。
1件は雨漏りによる損傷が激しく、もう一軒も経年劣化により新調になりました。
どちらも築100年以上のお宅です。
床から帰るのはお客様が生まれて初めてとのこと
つまり、70年~100年前の「手床」ということになります。
現在の機械づくりの藁床の寿命は、だいたい30年~50年
そう考えると、手床の丈夫さがわかります。
熊本に帰って4000件以上の畳のお仕事をさせていただきましたが、
「手床」に出会ったのは5件です。
とっても貴重なとこなのです。
【京都では4年間でもっと多くの「手床」に出会いました((笑))】
私たちの祖父にあたる2代目 亀井 重男は「手床」を作っていたそうです。
3代目の父 亀井 伸生「畳屋」になるころには、
機械化と分業が進み、機械で作った床を仕入れるようになり、
私たちは手床は作れません。
伝統工法が失われていく怖さと、寂しさを感じます。
畳の手縫いがそうならないように技術を伝承していきたいです。
次回は、板入れ畳について書きたいと思います。
この記事をシェアする